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歯周組織再生療法・GTR法


歯周組織再生療法

 歯周炎が進行して破壊されてしまった歯周組織を再生したいということで開発された治療法が歯周組織再生療法です.

 再生療法には大きく分けて、GTR法とエムドゲイン法の二つがありますが、その効果は世の中で宣伝されているほどのものではありません.


GTR(guided tissue regeneration)法


 歯周炎の進行は歯と歯肉が付着している部分が破壊され歯周ポケットが形成されることではじまります.

 これは、外傷によってできた傷口が細胞の増殖によって治るように、歯周組織の破壊された部分を歯肉上皮が根尖側に移動して傷口をふさごうとしている現象です.

 上皮が根尖側に移動してしまうとその部分に骨を再生させるのは難しくなるので、メンブレンとよばれる特殊な膜を歯肉を剥離して埋め込み、歯肉上皮の増殖をおさえ、セメント質や歯槽骨の再生を促そうというのがGTR(guided tissue regeneration)法です.

 GTR法は再生療法として一時脚光を浴びましたが、その適応症が限られていることから、歯周病の処置としてはそれほど行われなくなってしまいました.

 麻酔をして歯肉を剥離してメンブレンを埋め込むという侵襲の大きい処置の割には、ごく軽度の骨吸収しか対応できないので、あまり行われなくなってしまったと考えられます.


GTR法の適応症

 適応症が限られているGTR法ですが、具体的にはどの程度の状態のものが適応だと考えられているのでしょうか.

 米国歯周病学会が発表しているGTR法の適応症は以下のようになっています.

@ 垂直性骨欠損
A 下顎臼歯部の2 級分岐部病変
B 上顎臼歯部,頼側からの2級分岐部病変

 @の”垂直性骨欠損”というのは歯槽骨が一部分だけなくなってしまった状態です.
 垂直性骨欠損のなかでも歯に接する面の骨だけが吸収しているもの(三壁性骨欠損)が一番の適応症と考えられています.つまり、歯の周りのほんのごく一部の骨しか溶けていない場合は有効だということになります.
 “垂直性骨欠損”に対する用語は“水平性の骨欠損”で、GTR法ではこのタイプの骨の再生はできません.

 上の@、Aにある”2級分岐部病変”というのは、複根歯の根と根の間(分岐部といいます)に歯槽骨は存在しているが、水平的な歯周ポケットがわずかに存在している状態です.これも微々たる骨の吸収しか認められない歯周炎ということになります.

 さらに同じ論文で、上顎における近遠心からの分岐部病変,上下顎とも3級の分岐部病変には無効であり、頬側からの上顎2級分岐部病変は下顎の2級分岐部病変に比べ有効性が低く、垂直性骨欠損は2級分岐部病変ほど高い相関はないとも言っています.

 ”3級の根分岐部病変”というのは、プローブ(歯周ポケットを検査する器具)を挿入すると貫通はするが、周囲が歯肉で覆われている状態ということで、ここからが一般に問題となる歯周炎です.そして、そのような状態の歯にはGTR法は効果がないと言っているわけです.

 以上がアメリカ歯周病学会のGTR法に対する考え方です.
 文章を読んだだけでは難しくてよく分からないのですが、簡単にいえば、GTRの適応症はごく軽度の歯周炎ということで、患者さんに歯周炎という自覚さえない症例がほとんどでしょう.

 そして、この程度の骨吸収であれば、わざわざ観血的な処置をしなくても、通常の歯周病治療で十分回復できることが知られています.




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