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抜いた歯は生えてきません.削った歯は元に戻せません。歯科治療は両刃の剣であることを理解して治療を受けてくださるようおねがいします.

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歯肉炎(しにくえん)


このページのもくじ
歯肉炎とは:歯肉に炎症をおこした歯周病です 
歯肉炎の原因:細菌のかたまりプラークです
歯肉炎の治療:歯みがき(ブラッシング)
歯肉炎の診断:歯肉を見ることで判断します
歯肉炎の分類:炎症の部位によって分類します
歯肉炎の進行:歯間乳頭部から辺縁歯肉に広がる
歯肉炎発症のメカニズム:歯肉の血流障害

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歯肉炎の情報が動画で見られます

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炎症歯肉と健康歯肉
歯周病の症状
歯周病の進行
歯周病の治り方


歯肉炎とは

 歯肉炎は歯周病の一つで、歯周組織のうち歯肉だけに炎症をおこしたものです.

 同じ歯周病でも歯周炎は歯肉以外の歯周組織に炎症が波及したものです.
 
 
歯周組織:歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨


歯肉炎の原因

  歯肉炎の原因は歯の表面についているネバネバした白いものです.

 この白いネバネバは細菌のかたまりで、プラークとよばれています.
 今から45年前、デンマークのハロルド・ロー(Harald Loe)という先生の研究から歯肉炎の原因がプラーク(細菌)であることがはっきりしました.
《プラークについて詳しく》
《歯周病原菌について詳しく》



歯肉炎の治療

 歯肉炎の原因はプラークなので、プラークを除去すれば歯肉炎は治ります.

 プラークを除去する一番効果的な方法は歯みがき(ブラッシング)です.


 歯周病治療の歯磨きとして編み出されたのが“片山式ブラッシング法”です.
 片山式ブラッシング法は“突っ込み振るわせ磨き”と“フォーンズ法”の2つが基本です.
 《片山式ブラッシング法を詳しく》



歯肉炎の診断

歯肉炎かどうかは、歯肉の色、形、構造物によって判断します



炎症歯肉(左側)と健康歯肉(右側)
歯肉炎の歯肉は健康歯肉に比べ赤味をおび、丸く膨れた感じになります.


歯肉の色

 健康な歯肉はピンク色をしています.
 炎症歯肉は赤く充血していたり、うっ血して赤紫色になります.

 歯肉の色は個人差があるので、歯槽粘膜(しそうねんまく)の色と比較して判断します.

 歯槽粘膜の赤色が歯肉にある時は、炎症をおこしている可能性が高くなります.

@歯周病治療後の健康歯肉


@健康歯肉:ピンク色で明るい感じ

A治療開始前の炎症歯肉


A炎症歯肉:赤色や赤紫色の濃い色



歯肉の形

健康歯肉はスキャラップ(ホタテガイの貝殻)状を呈するといわれています


健康歯肉はメリハリがはっきりしていて、歯間乳頭部にシャープに入り込んでいます.

@治療後の健康歯肉

A治療前の炎症歯肉


@健康歯肉:シャープですっきり
A炎症歯肉:丸く、ぐちゅぐちゅ


歯肉の構造物

炎症歯肉は歯肉が裂けているように見えたり(歯肉クレフト)、膿の袋(膿瘍)などができることがあります.

健康歯肉にはミカンの皮のぶつぶつ(スティップリング)のようなものが見られることもあります.



歯肉の裂開(歯肉クレフト)
 歯間乳頭部の歯肉がふくれあがり、歯肉に裂け目ができているようにみえます



膿瘍(のうよう)
 歯肉に膿がたまってふくらんだものを膿瘍といいます.

 急性期には、歯が浮いたり、噛みにくかったりしますが、急性期を過ぎると痛みなどは感じなくなってしまいます.

 歯周病のほかに歯根破折や根尖病変がなどの歯肉にできます.
 《膿瘍について詳しく》



スティップリング
 喫煙者の歯肉    歯周炎の治癒した歯肉
  歯肉の表面にミカンの皮のような細かいぶつぶつをスティップリングといいます.

 スティップリングが表れている歯肉はおおむね健康歯肉と考えてよいでしょう.

 喫煙者の歯肉にはスティップリングが表現されやすくなります.



喫煙者の歯肉

 喫煙者の歯肉は血管が細くなり、数も減少して血流障害をおこしていて、線維芽細胞が異常に活性化しているので、歯肉に炎症症状が表れにくくなります.



歯肉炎の分類

歯肉炎は炎症の起こっている部位により分類します


歯周病は怖くない-正しく理解し、抜かずに治す 小西昭彦、かず代 医歯薬出版 より引用
歯肉炎は、炎症のおこっている部位によって歯間乳頭歯肉炎、辺縁歯肉炎、瀰漫(びまん)性歯肉炎などと分類されます.



歯間乳頭(しかんにゅうとう)歯肉炎

歯間乳頭部がふくれて、少し赤くなっています.



瀰漫(びまん)性歯肉炎

歯肉全体に炎症が広がった歯肉炎を瀰漫性歯肉炎といいます.
歯間乳頭歯肉はふくれ上がり、裂け目ができているところもあります.

辺縁(へんえん)歯肉炎

辺縁歯肉が赤く充血しています.


《歯肉炎の症例写真はこちら》



歯肉炎の進行

歯肉炎は歯間乳頭部からはじまって、辺縁歯肉に沿って広がり、隣の歯間乳頭部の歯肉炎とつながって、次第に歯肉全体に広がっていくのが一般的なパターンです.


@:健康歯肉
A:歯肉炎は歯間乳頭部からはじまります
B:炎症は辺縁歯肉に沿って隣の歯間乳頭部の歯肉炎とつながります
C:炎症は拡大して歯肉全体に広がります
















歯肉炎発症のメカニズム

 歯と歯肉の境目にプラークが停滞すると、細菌が体内に入ってくるのを防ぐために、白血球(好中球≒顆粒球)がその部分に集まってきます.

 このとき歯肉の血管が拡張したり、血管から液状成分が滲出したりするので、歯肉は赤くぶよぶよと腫れてきます(発赤腫脹:ほっせきしゅちょう).

 これが歯肉炎です.

 白血球は細菌を排除するため歯肉に遊走してきます.

 したがって、細菌の集合体であるプラークを除去すれば、白血球をその部に送り込む必要がなくなるので、歯肉の炎症症状は消退します.




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