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ハンス・セリエ(1907-1982) |
現代人はさまざまなストレスにさらされて生きています. ストレスは生体に加わる刺激に対する生体反応です. この生体反応に“ストレス”という名前をつけたのはハンス・セリエという医学者です. セリエ先生はストレスに関連する一連の身体反応を生体の適応現象ととらえていました. そのメカニズムが働くことで生体の恒常性(ホメオスタシス)は保たれるわけですが、破綻すると生体のホメオスタシスが崩れストレス関連疾患を発症してしまうということになります. 歯周病もこのストレス関連疾患の一つだと考えることができます. ストレスがどのようにストレス関連疾患をもたらすのか、現在のところその機序は明らかではありませんが、安保徹先生は「白血球の自律神経支配の法則」を理解することで、そのメカニズムが解き明かされるとしています. |
外傷,感染などの生物学的刺激、寒冷、振動などの物理学的刺激、排気ガス、薬物などの科学的刺激、不安、怒りなどの情動刺激が加わると,生体はその刺激に応じた特異的反応のほかに,刺激の種類とは関係ない一定の身体変化を引き起こします. 具体的には生体に刺激が加わると、副腎皮質の肥大、胸腺リンパ組織の萎縮、胃・十二指腸潰瘍などストレスの3徴候と呼ばれる非特異的な身体反応が起こります. これらの生体反応を初めて報告したのがハンス・セリエです.セリエ先生はこの非特異的反応を全身適応症候群と名付けました(*1). この全身適応症候群は刺激によって引き起こされた体の歪みを正そうとして起こる体の反応です. セリエ先生は、この体の歪みをストレス、生体にストレスを引き起こす刺激をストレッサーと名づけました(*2). |
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(*1)Selye H :A syndrome produced by diverse nocuous agents,Nature ,1936,July
,138,32 (*2)Selye H: STRESS AND THE GENERAL ADAPTATION SYNDROME ,Brt.Med,J,1950 June,1383-1392 |
ある刺激が生体に加わるとその情報は大脳皮質の感覚野、連合野などを経て大脳辺縁系に到達します. ここで情報が処理され、それがストレッサーであると認識されると、ホメオスタシスを司るセンターである視床下部が活動を開始します. 視床下部のコントロール回路は大きく分けて二つあります. 視床下部から脳幹、脊髄を経て指令が伝わる自律神経系の経路と脳下垂体を経由する内分泌系の経路です. |
ストレスには即時的、暫時的および長期的な反応の3種類あります. ストレッサーが生体に作用すると自律神経のうちの交感神経は2,3秒以内に神経線維末端からノルアドレナリンを放出し、主として心臓血管系に影響を及ぼします.これが即時的な反応です. 恐ろしいものに出会ったときに顔が真っ青になるのは、この即時反応です. 暫時的な反応は交感神経からの刺激によって、副腎髄質に貯蔵されていたアドレナリンが放出されることによって行われます. 副腎髄質から分泌されるアドレナリンは血流を介して伝達されるのでストレッサーによる刺激から20〜30秒後に反応が現れ、1〜2時間くらいその反応は持続します. 長期的な反応は副腎皮質ホルモン系を介して行われます. ストレッサーが認知されるとその情報は視床下部から脳下垂体、副腎へと伝達され、副腎皮質からのグルココルチコイドの分泌が増加します. グルココルチコイドは胸腺の萎縮をもたらし、また脂肪やタンパク質をグルコースやグリコーゲンに変換し糖代謝亢進を促進します. |
セリエ先生はストレスに関連する一連の身体反応を生体の適応のメカニズムととらえていました. そのメカニズムが働くことで生体のホメオスタシスは保たれるわけですが、破綻すると生体のホメオスタシスが崩れストレス関連疾患を発症してしまうことになります. ストレスに関しては、ストレスホルモンから細胞のストレス応答まで、きわめて広い範囲で研究が進められていますが、ストレスがどのようにその関連疾患をもたらすのか、あまり明らかになっていません. 免疫学者の安保徹先生は「白血球の自律神経支配の法則」を理解することで、そのメカニズムが解き明かされるとしています. |
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