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歯周病と全身・ペリオドンタルメディスン


ペリオドンタルメディスンとは


 
 近年、歯周病が全身の健康に影響するという研究が多く報告されるようになり、歯周病は口だけではなく、全身とも関連するということが指摘されるようになりました.

 この概念をペリオドンタルメディスン(Periodontal Medicine)といいます.


 難しく言うと、
「医学的根拠をもって歯周病の予防や治療をおこない、歯周病が全身にどのように影響するか、全身的な状態が歯周組織にどのように関わるかを研究すること」(Offenbacher 1996)
というのがペリオドンタルメディスンの定義になります.

 歯周病が全身に影響を及ぼし、全身疾患と関連すると考えられているケースとしては、早産・低体重児出産、心筋梗塞、心臓発作を含む心循環器疾患、糖尿病などがあります.

 歯周病が全身疾患のリスクファクターとして注目される一方で、歯周病が糖尿病にり患しやすくさせたり、悪化させたりする可能性も指摘されるようになっています.

 参考文献)歯周病と全身の健康を考える ライオン歯科衛生研究所編 医歯薬出版



歯周病と全身疾患の科学的な了解事項

 ペリオドンタルメディスンに関してはネットなどで針小棒大に語られているところが多すぎるので、信頼できる研究に基づいた報告をお知らせしたいと思います.

 これらの研究の結論をまとめると、口腔細菌と全身疾患の関りは指摘できるものの、確証ができる十分な根拠が示されているものはほとんどないというのが現在のところのコンセンサスといってよいと思います.

 全身状態と歯周病との関連に関して科学的根拠に基づいて了解されている事項は下記のページをごらんください.
* 歯周病と心疾患、脳梗塞
* 歯周病と糖尿病
* 歯周病と早産低体重出産
 参考文献)歯周病と全身疾患 適切な文献 島内英俊 日本歯科評論社



マスコミやホームページが不安をあおっている

 マスコミやインターネットでもペリオドンタルメディスンの問題を好んで取り上げるようになっており、「歯周病はあなたの全身をむしばむ」あるいは「歯周病菌があなたの命を狙っている」などというセンセーショナルな語句がネット上に飛び交っています.

 しかし、その内容は事実と異なる部分が多く、多分に一般の人々を脅かす要素が強くなっているようです.

 歯科医によってはこのことを根拠に患者さんの不安をあおりたて、抜歯を勧めている場合もあるようなので、これは放っておけないと思っています.



必要以上の心配は無用です

 
ペリオドンタルメディスンを考えなくてはいけない人は1割未満

 上記のように口腔細菌が全身に影響を与えているかどうか確証が得られていないということが現実なのですが、さらに心配する必要はあまりないという事実があります.

 全身に影響を与えるとされる歯周病菌のいる人はほとんどいないということです.


 歯病菌や炎症因子が全身に運ばれて悪影響を与える、というのがペリオドンタルメディスンの考え方です.

 全身に影響を与える歯周病菌として考えられているものには P.g.菌、T.f.菌Td.菌, P.i.菌, A.a.菌などがあります.(*)

 これらの歯周病菌は重度歯周炎の深い歯周ポケットに存在する細菌なので、軽度~中等度の歯周炎の人は必要以上に心配することはありません.(*1~3)

 ましてや、軽い歯肉炎や歯石が付いている程度の状態(**)ではまったく心配いりません.

 しかも、重度歯周炎に罹患している人の割合は非常に少ないので、必要以上に心配する必要はないというのが現実なのです.
(*)歯周病細菌として注目されている菌
Red C omplex
・P.g.菌(Porphyromonas gingivalis)・ポルフィロモナス ジンジヴァリス
・T.f.菌(Tannerella forsythia)・タネレラ フォーシンシア
・Td.菌(Treponema denticola)・トレポネーマ デンティコラ
その他
・P.i.菌(Prevotella intermedia)・プレボテラ インターメディア
・A.a.菌(Actinobacillus actinomycetemcomitans)・アクチノバチラス アクチノミセテムコミタンス
 (**)平成17年の歯科疾患実態調査では少し歯石のついている人まで歯周病とカウントしたので、成人の8割が歯周病などというとんでもないことを言ってはばからない無知な歯科医が大量に出現してしまったわけです.
 *1)Brown LJ, Löe H. Prevalence, extent, severity and progression of periodontal disease.Periodontol 2000. 1993 Jun;2:57-71.
*2)歯周病学の概念におけるパラダイムシフト 歯界展望 1998-10
*3)Johnson NW, Griffiths GS, Wilton JM, Maiden MF, Curtis MA, Gillett IR, Wilson DT, Sterne JA.:Detection of high-risk groups and individuals for periodontal diseases.



ペリオドンタルメディスンを問題にするわけ

ペリオドンタルメディスンが話題になるのは隠された理由がある

 心内膜炎と口腔内細菌の関係や糖尿病の人が歯周病になりやすいのは昔から知られていたことです.

 しかし、最近になって歯科医院のホームページではペリオドンタルメディスンをことさら問題にしているような印象を受けます.

 これには、ペリオドンタルメディソンの研究が進んできたことの他に理由があるのではないかと思っています.



歯科医院は患者数減にあえいでいる

 それは歯科治療に対する需要の喚起です.

 現在、日本の歯科開業医は患者数の減少にあえいでいます.

 増患対策と銘打ったセミナーや患者を獲得するホームページのご案内といったメールやファックスが毎日のように歯科医院に届いています.

 私の知り合いにも患者さんが来なくなってしまって、閉院を余儀なくされた歯科医は少なくありません.

 これから先、開業歯科医が生き残っていくためには患者数を確保するのが急務な時代となっているのです.


医院経営のための歯科治療が横行している

 病気の治療というより美容といってよいホワイトニングやマウスピース式のお手軽矯正、なにかと理由をつけては白い歯を勧める審美歯科などの宣伝がかまびすしくなっています.

 その流れの中で「歯周病と全身疾患の関係」と「健全歯周組織を持たない人が8割いる」という厚生省の歯科実態調査を曲解した事象を利用して、全身疾患とは無縁の人まで歯周病の患者として取り込もうというのがペリオドンタルメディスンを問題にする理由ではないかと思います.



歯周病を必要以上に怖がる必要はありません

 種々のリサーチや研究の結果、ペリオドンタルメディシンが発展してきたことは間違いありません.

 その研究には敬意を払いたいと思います.

 歯周病と全身疾患に関係に関してもこれから詳細なことが分かってくるでしょう.

 だからといってマスコミや一部の歯科関係者のことばをうのみして、歯周病を必要以上に怖がる必要はありません.

 「歯周病を放置すると命に関わるようになる」、「抜かないと脳にまわって大変なことになる」などという脅かしにはそれほど信頼できるような根拠はありません.

 まったくの嘘とは言いませんが、ほとんどの人には関係ないことです.



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