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抜いた歯は生えてきません.削った歯は元に戻せません。歯科治療は両刃の剣であることを理解して治療を受けてくださるようおねがいします.

TEL.03-3954-8844

〒161-0032 東京都新宿区中落合2-20-6

歯を大切にするために歯科治療の内容を知る



 歯科医によって治療のゴールは異なります.

 歯を大切に考える歯科医から、機能回復のために多少の犠牲は仕方がないと考える歯科医まで様々です.

 その治療が歯を大切にするために必要な治療なのか、患者さんご自身もある程度歯科治療について知っておいた方が良いと思います.




高額な補綴物を入れることが歯を大切にしていることにはならない


 歯を”大切にするためには歯根膜を守らなければなりません.

 しかし、補綴物によって歯根膜を大切にする度合いが異なるかといえば、そういうことはありません.

 セラミックなどの高額の補綴物の方が銀歯より歯根膜を長持ちさせるというわけではありません.

 セラミックを入れたからといって、歯が長持ちをするわけではありません.

 かえって、セラミックの硬さが歯根膜にダメージを与えてしまう可能性があるので、歯を大切にするには咬合面(噛む面)は金属の方が良いということが言えます.

 ちなみに片山先生は奥歯にセラミックを入れることには否定的でした.

 なぜならセラミックの咬合面は硬すぎて、歯周病を悪化させやすく、また歯根破折も引き起こしやすいからです.

 白い歯が良いからといってセラミックを入れたのだが、2年も持たずに破折してしまったというトラブルが頻発しているのは、このことに起因しています.



インプラントや矯正、審美補綴は歯を大切にしているとはいえない


 インプラントや矯正は専門的な知識と経験と技術が必要です.

 現在これらのテクニックを教えているのほとんどは民間のセミナーです.

 何回かセミナーに通えば一応の施術はできるようになります.

 しかし、そのような経験のない歯科医の処置を受けて良い結果が得られるわけがありません.

 経験のない歯科医の施術を受ければ、高額な費用を払って、その歯科医の練習台にされてしまいうのがおちです.

 また、インプラントも矯正も、その術式にもいろいろな流派があります.

 逆に言えば、こうやれば成功するというやり方が存在していないということになります.

 ある症例には適した手法でも、違う症例ではいたましい結果をもたらすということもあるわけです.

 したがって経験と技術があるからといって、知人がうまくいったからといって、自分の場合も成功するという保証はまったくありません.

 インプラント、矯正、審美補綴は歯科医が宣伝するほどうまくいっているわけではありません.

 表に出てこないだけで、悲惨な結末を迎えている症例の方がたくさんあります.

 高額費用を払う治療が歯を大切にする治療ではないことを、十分承知しておいてください.




歯を大切にするには、治療のメリット・デメリットを知って治療を受ける



 むし歯の処置をするときと同様、冠をかぶせたりブリッジを入れたりする補綴処置(ほてつしょち)も歯を削る必要があります.

 補綴処置でも歯はなるべく削らない方が良いに決まっています.

 たとえば歯にかぶせものを入れる場合、歯の全体を覆ってしまう全部被覆冠(ぜんぶひふくかん)より歯冠の一部しか削らない部分被覆冠(ぶぶんひふくかん)の方が切削量は少なくなります.

 全部削ってしまう全部被覆冠でも、切削量に違いがでます.

 一般に金属冠の方が白い歯のセラミック冠より歯を削る量は少なくなります.

 ブリッジを入れるときには欠損部に隣接するまったく健康な歯を削らなくてはならない場合もでてきてしまいます. 

 インプラントは上皮でおおわれている生体防御の連続性を壊しています.

 そのうえ健康な顎骨を削り取ることで生体の内部にまで損傷を与えています.

 歯科処置にはすべて利点欠点があります.

 その処置のメリットデメリットを十分知って、本当にそれが必要な治療なのか、よく担当医と話し合ってから施術を受けるようにしてください.




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