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アレキシス・カレルの名前を知ったのは片山セミナーです. 配布された“受講生が読むべき本のリスト”のイの一番に載っていたのがカレルの「人間-この未知なるもの」でした. 片山先生がセミナーで、この本の内容について細かく触れるということはありませんでしたが 、科学の分析的な手法の影響で、細部ばかりみて全体をみることを忘れてしまっている現代医学を省みるために、この本を推薦したのだろうと思います. カレルは「人間-この未知なるもの」の序文で、この本の目的は「人間について総合的に知ることである」として、「現代文明は退廃し、本来自然の法則に支配されるべき人間の心と身体は退化している、いまこそ人間を総合的にとらえなければならない」と記しています
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自然科学の発達のおかげで、現代社会の生活は便利にそして快適になりました.それ以前に比べずっと自由な時間が増え、人間は余暇を楽しむことができるようになりました.しかし、それらのプラスの要件と引き換えに、人間は大事なものを徐々に失っている、とカレルは嘆きます.
自動車や電気製品のおかげで現代人は体を動かすことが少なくなり、身体は脆弱になっています.子供の体力が年々低下していることがたびたび報じられています. 快適さや利便性を追い求めるあまり、人間が怠惰になり我慢強さを失い精神的にもひ弱になっています.
公衆道徳の欠如、不可解な殺人、小児や老人虐待、性の乱れなどその具体例は枚挙にいとまがありません. 明治の人に比べ、現代人は身体の頑強さ、質実剛健さ、学問の素養などにおいて劣り、倫理観や道徳観も希薄になっています.
その上、環境は汚染され、従来の暖かい人間と人間の関係は消えうせてしまいました. カレルの指摘を待つまでもなく、今のままでの状況では、日本は日本人はそして人類は退廃していくばかりです.いったい我々はどうすればよいのでしょうか. カレルはこういっています.
「本来、人間は無限の可能性を秘めた、崇高な存在である.その可能性を十分引き出さなくてはならない.そのためには自分と向き合い、自省し、ある程度ストイックな生活を送る必要がある」と.
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片山セミナーのノートに次のような記載があります.
『キミたちは歯科医として“何をしなければならないか”を考えたことも無いだろう.やれインプラントだ、矯正だ、コーヌスだと口の中をこねくり回すことばかり考えている.
自分が本当に“何をしなければならないか”を、1人孤独になって、自分と向き合い、真剣に悩んだことがない. 自分のやっていることは患者さんのためになっていると言い張り、自分のしたことを肯定してもらおうという甘えた気持ちで満ち満ちている. 自分の失敗と真正面から向き合うことも無く、セミナーに来て、何かいい手を教えてくれという. あんたね、それは思い上がりですよ、まったく覚悟ができていない、情けないことですなー. まず、ど根性を作らなくては始まらない. それには読書毎日しっかり読書して、自分の頭で考えること、それからはじめなさい.』 熱弁をふるう片山先生の姿が思い出されます.
あふれる情報、欲望を刺激する数々の誘惑に惑わされることなく、自分と向き合い、反省し、自律的な生活を送ることを日々忘れないようにしたいと思います.
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