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抜いた歯は生えてきません.削った歯は元に戻せません。歯科治療は両刃の剣であることを理解して治療を受けてくださるようおねがいします.

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〒161-0032 東京都新宿区中落合2-20-6

歯科医院の甘いキャッチフレーズには裏がある


歯科治療には犠牲がつきもの


『なんでもバリバリ食べられる歯』
『若々しく美しい口元』
『笑顔からこぼれる白い歯』

 これらのキャッチフレーズが歯科治療の目標の一つであることは否定しません.

 しかし、これらの”噛める歯”や”白い歯”を手に入れるためには大きな犠牲を払わなくてはいけないこと知っておかなくてはいけません.

 もちろん金銭的な負担もあるのですが、もっと大きな犠牲があります.

 その犠牲とは健康な歯質や健全な神経です.
 そして、健康な歯質や健全な神経を取り除いてしまうことが、歯のみならず口腔や全身の健康さえ脅かすことがあるということです.

 そして、得られた”噛める歯”や”白い歯”は永久的に持つものではありません.
 10年、15年すれば補綴物に問題が生じて、再治療を余儀なくされることも増えてきます.
 そして、やりかえのときはまた健康な部分を犠牲にすることになります.



噛める代わりに歯の寿命を縮める

 歯を一本失っても両隣の歯を削ってブリッジを入れれば、ほぼ元の歯があったときと同様に噛むことができるようになります.
 しばらくの間は元のようにバリバリ噛めるようになるかもしれません.

 しかし、ブリッジを作るためには両隣の健康なエナメル質やゾウゲ質を多量に削り取らなくてはなりません.

 ブリッジは失った歯を含めて3本の歯にかかっていた負担を2本の歯で支えるので、残った歯には以前の3/2負荷がかかります.
 過剰な力はその歯の寿命を縮めます.
 歯根破折も歯周病の組織破壊も力が関与しています.
 少なくなった歯質で3/2の力を支えるのですから、ブリッジの支台となった歯は歯根破折や歯周炎の共同破壊を起こしやすくなります.

 白いセラミックの歯は切削量が多くなるので、残った歯質の量は少なくなりさらに、材質的に硬いので力が歯質に加わりやすくなるのでさらに破折の危険性が増してきます.



インプラントにも犠牲がつきもの

 ブリッジではなく、インプラントを選択すれば、健康なあごの骨を削り取らなくてはなりません.

 将来インプラントにトラブルがおこり、除去することが必要になったとき、インプラントを取り除くためのあごの骨の損害は尋常ではなくなります.

 場合によっては、副鼻腔炎などの疾患の引き金になることもあります.

 ブリッジにしても、インプラントにしても、元の歯のような咀嚼機能や審美性の回復というメリットを得られる代わりに、将来残っている歯の寿命を縮めたりあごの骨を失ったり、全身にトラブルを引き起こしたりというデメリットを背負う可能性があることを知っておいた方がよいと思います.

 将来の心配はインプラントの治療がうまくいった場合で、元の歯のような咀嚼機能も審美性の回復も思うようにいかないことの方が多いようです.


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