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安保免疫論(あぼめんえきろん)と歯周病治療


安保免疫論と歯周病

 
 安保徹先生の免疫学の中で特に歯周病(歯周炎、歯槽膿漏)との関連が深いのが「白血球の自律神経支配の法則」です.

「ストレスが交感神経の緊張をもたらし、交感神経の緊張は顆粒球の産生を促し、顆粒球の増多が歯周病などの組織破壊性の疾患が引き起こす」というのが「白血球の自律神経支配の法則」です.


このページのもくじ
*医療が病をつくる
*白血球の自律神経支配の法則
・顆粒球とリンパ球は自律神経支配を受ける
・交感神経が緊張すると顆粒球の産生が促進される
・白血球の割合が変わると問題を起こしやすくなる
・過剰な顆粒球が歯周組織を破壊する
*ストレス
*安保徹先生の略歴


医療が病をつくる

 
 私は歯科大学を卒業後すぐに片山先生の臨床に出会い、その臨床を目指してきました.

 片山式歯周病治療の柱は片山式ブラッシングと食生活改善にはじまる生活改善でしたが、生活改善が歯周病治療に本当に有効なのかどうか、ずっと疑問に思っていました.

 そんなときに一冊の本に出合いました.
 安保徹先生の“医療が病をつくる”という本です.

  その本には、交感神経の過剰緊張の持続(簡単にいえばストレス)は顆粒球過剰ををうながし、それによって歯周炎などの組織破壊性の疾患がもたらされるということが書いてありました.

 つまり安保理論によれば、交感神経の過剰緊張を解くことが歯周病の治療ではとても大切になるということになります.

 交感神経の緊張を解くにはよく噛んで食事をすること、呼吸を大事にすること、適度に運動することなどが有効です.

 つまり、安保免疫論が片山式歯周病治療の生活改善の理論的な根拠となることをはっきりさせてくれたわけです.


 その結果、片山式歯周病治療と安保免疫論を融合させたオーラルフィジオセラピーという私たちがおこなっている歯周病治療法が誕生したのです.

《歯周病についてはこちら》
《片山式歯周病治療法はこちら》
《片山式ブラッシング法はこちら》
《歯周炎についてはこちら》

《オーラルフィジオセラピーはこちら》



  交感神経の過剰緊張の持続が顆粒球(好中球)の過剰産生を促し、それが組織破壊性の疾患がもたらすということは、当時徐々に解明されつつあった歯周病における歯周病組織破壊のメカニズムとぴったり合致するものでした.

 つまり組織破壊をともなう歯周病の原因は細菌だけでなくストレスなどの宿主(生体)側の因子が大きくかかわっていることが分かってきたのです.
 《歯周病組織破壊のメカニズムについてはこちら》



白血球の自律神経支配の法則

顆粒球とリンパ球は自律神経支配を受ける 
 
 安保徹先生の研究の中で特に歯周病(歯周炎、歯槽膿漏)との関連が深いのが「白血球の自律神経支配の法則」です.

 白血球も心臓や腸や胃など他の臓器と同様自律神経の支配を受けるというのが、「白血球の自律神経支配の法則」です.



 交感神経が緊張すると顆粒球の産生が促進される
 白血球には大別すると顆粒球、リンパ球、マクロファージがあり、そのうち顆粒球とリンパ球は他の臓器と同様自律神経の支配を受け活性化しています.

 顆粒球とリンパ球はアドレナリンレセプターとアセチルコリンレセプターを発現しており、交感神経の緊張が持続すると顆粒球が過剰に産生され、反対に副交感神経が優位になるとリンパ球の産生が促進されます.(1,2,3)

 そして、この顆粒球の過剰産生が組織破壊性の歯周病(歯周炎)を引き起こすことになります.
1) Suzuki S et al.: Circadian rhythm of leucocytes and lymphocytes subsets and its possible correlation with the function of the autonomic nervous system.Clin Exp Immunol. 1997 Dec;110(3):500-8.
2) 安保徹:生体防御、鴨井久一ほか編、Preventive Periodontology、医歯薬出版、2007、175-180
3) 安保徹:自律神経と免疫の法則、白血球膜上に発現する自律神経レセプターと白血球の生体リズム、三和書籍、2004、7-13


 白血球の割合が変わると問題を起こしやすくなる
 血流中における白血球の分布はマクロファージ5%、顆粒球54〜60%、リンパ球35〜41%という割合で存在していますが、この値を大きくはみ出たときに問題が起こりやすくなります.

 交感神経緊張が長く続くと、その支配を受ける顆粒球の数は増加し、その比率が65%以上になると自らが放出する活性酸素や酵素によって細菌のみならず健全な組織をも破壊してしまうおそれがでてきます.

 一方、運動不足などで副交感神経が優位になりすぎるとリンパ球が増加してアレルギー関連の問題が起こりやすくなると考えられています.



 過剰な顆粒球が歯周組織を破壊する
 生体がストストレスにさらされると自律神経系の反応がまず起こります.

 交感神経緊張が惹起され、神経線維末梢から放出されるノルアドレナリンの作用により顆粒球の過剰産生と血流障害がもたらされます.

 顆粒球は骨髄で産生され粘膜に移行して死滅すると考えられており、この反応が強すぎると顆粒球の放出する活性酸素や酵素によって粘膜組織が破壊されてしまいます.

 常在菌の多い歯周組織や直腸がこの組織破壊のターゲットになりやすいと考えられています.



ストレス



ハンス・セリエ(1907−1982)
 現代人はさまざまなストレスにさらされて生きています.

 ストレスは生体に加わる刺激に対する生体反応です.

 この生体反応に“ストレス”という名前をつけたのはハンス・セリエという医学者です.

 セリエ先生はストレスに関連する一連の身体反応を生体の適応現象ととらえていました.

 そのメカニズムが働くことで生体のホメオスタシスは保たれるわけですが、破綻すると生体のホメオスタシスが崩れストレス関連疾患を発症してしまうということになります.

 歯周病もこのストレス関連疾患の一つだと考えることができます.

  ≪詳しくはこちらから≫


安保徹(あぼとおる)先生の略歴


 安保徹先生は、1947年青森県生まれの国際的免疫学者です.

東北大学医学部卒業、新潟大学大学院歯学総合研究科教授(国際感染医学・免疫学・医動物学分野).

 米国アラバマ大学留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製しました.

 1989年には、それまで胸腺だけでつくられるとされていたT細胞が、実は肝臓や腸管上皮でもつくられていることをつきとめ、胸腺外分化T細胞を発見しました.

 1996年に「白血球の自律神経支配の法則」を発見しました.

 さらに、1999年には、マラリア感染の防御が胸腺外分化T細胞によって行われることを発見しました.

 2000年には胃潰瘍=胃酸説を覆す顆粒球説を米国の医学誌Digestive Disases and Siencesに発表しました.

 国際的な場で精力的に研究成果を発表、世界的免疫学者でしたが、2017年に逝去なされました.

 著書に『医療が病をつくる』、『免疫革命』、『自律神経と免疫の法則』などがあります.
1)安保徹:医療が病をつくる、岩波書店、東京、2001
2)安保徹:免疫革命、講談社インターナショナル、東京、2002
3)安保徹:自律神経と免疫の法則、三和書籍、東京、2004



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