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@上皮性付着、A結合組織性付着、B歯根膜、C歯槽骨 |
歯肉炎は炎症が歯肉だけに限局した歯周病ですが、歯と歯肉の付着(@上皮性付着)が何らかの理由で破壊され、さらにその破壊が深部に進行し、A結合組織性付着、B歯根膜やC歯槽骨の破壊が進んでいきます. その結果、歯周ポケットが形成され、歯周ポケット歯肉の内縁上皮にできた潰瘍から膿を排出するようになります. これを歯周炎と呼びます. これらの歯周病組織破壊のメカニズムは歯周病原菌が直接組織を破壊するのではなく、細菌の存在下で生体の免疫システムの誤作動(好中球過剰の状態)によっておこること考えられています. |
何がこの免疫の誤作動を引き起こすのか、現在のところはっきりしていませんが、この誤作動は宿主因子とかリスクファクターとよばれる因子が関連すると考えられています. 組織破壊の主役が白血球の細胞浸潤であることを考えると、白血球(好中球)の過剰な産生を促す免疫状態、交感神経の過剰な緊張持続が歯周炎のトリガーになるのではないかということが安保免疫論から推察できます. かつて、この歯周炎が重症化して、排膿が著しいものを歯槽膿漏と呼んでいました. 膿の正体が好中球の残骸であることを考えると、多量の排膿をともなう重度の歯周炎と交感神経緊張の持続による好中球過剰は切っても切れない仲だと考えられます. |
免疫学者の安保徹先生は、歯周炎のリスクファクターはストレス(自律神経の過剰緊張持続をもたらす要素)である可能性が高いのではないかと指摘しています. 「歯肉炎が歯周炎に進行するのは歯周ポケットの形成で始まりますが、このとき組織破壊の主役を演じるのは好中球(顆粒球)です. 強いストレス(交感神経の緊張状態)にさらされると、生体には好中球を多量に産生するシステムが働きます(白血球の自律神経支配の法則). 好中球の役割は細菌から身体を守ることなので、産生された好中球は細菌の多数存在する口腔や肛門や胃や腸管などに移動します. 局所に移動した好中球は細菌を取りこんで破壊してしまうと同時にその部位の生体組織をも破壊してしまいます. 口の中には歯周炎を引き起こし、肛門の痔や胃潰瘍、潰瘍性大腸炎などを発症させます. 細菌が停滞している歯肉溝付近の歯周組織に顆粒球が多量にそして持続的に浸潤することで歯周組織の破壊が始まります. 好中球が上皮性付着の部分を破壊すると、破壊された傷口をふさごうと粘膜上皮の細胞が歯の根の方へ増殖していきます(上皮の根尖側移動). その結果歯周ポケットの形成が始まります. 好中球が活発に活動すると、それに引き続きマクロファージやリンパ球も活性化され、結合組織を破壊するプロテアーゼ類や歯槽骨を破壊する破骨細胞などがさかんに産生されます. 歯周組織破壊に関与すると考えられている免疫関連物質としては多数のサイトカイン類やPGE2(プロスタグランジン)、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)などがあります. 好中球を中心として活性化される免疫システムでは、自己応答性細胞などの産生が亢進され、自己免疫疾患に似たようなメカニズムで組織破壊が進んでいきます.そして最終的にはRANKL((receptor activator of NF kappa B ligand)の発現により破骨細胞の活性化が促され、歯周組織破壊が進行すると考えられます. つまり、細菌が歯周組織に停滞している状態で、免疫システムのボタンのかけ違いが起こることで、歯周炎が発症し、増悪化することになります. この炎症-免疫反応を正常から逸脱させ、歯周組織破壊の悪循環を演出する元凶が強いストレス応答(交感神経の緊張状態)の持続です. |
歯周炎の組織破壊は歯肉炎に続発して発症するといわれています. しかし、歯肉の腫れが長い間続いているのに歯周炎にならない人もいますし、歯肉炎の徴候さえほとんどなかったのに、急激に歯周組織が破壊されてしまうこともあります.(下図) |
歯が急にグラグラして噛めなくなってしまったと来院しました. ほぼ正常のレベルだった歯槽骨が1年間でほとんどなくなっています. この1年の間に人生でもっとも悲惨なトラブルに巻き込まれていました. |
診療時間 | ||||||
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