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片山恒夫先生は、1965年にハロルド・ロー先生が歯肉炎の原因が細菌であることを発表(*1)したころ、ブラッシングが歯肉炎の治療に有効であることにすでに気づいて、プラークコントロール(*2)を中心に据えた歯周病治療をおこなっていました. 1960年くらいまで、歯周病の原因としては全身説と局所説があり、明確な結論は得られていませんでした. 1965年のロー先生の研究で歯肉炎におけるプラークの役割については確立された考え方となり、1966年のアメリカ歯周病学会で「歯周病の発症に関する因子は不明であるが、多くの事実からこれらの因子は局所的なものであり、細菌の産生物である可能性が高い」と報告されています. このころすでに日本では、片山先生がブラッシングを歯周病治療の大きな柱とした臨床を進めており、その治験症例を歯科医師会雑誌などで報告していました. |
*1)ハロルド・ロー先生の研究 *2)プラークについて |
片山恒夫 社会保険における歯槽膿漏症治療の問題点 日本歯科医師会雑誌1966.9 |
片山先生が歯科医師会雑誌で報告した歯肉炎の症例です. 写真の状態が悪くて、分かりにくい部分もありますが、処置前に比べて、処置後の歯肉の炎症状態が改善していることが分かります. この写真の説明として、 『処置法:スケーリング+フィジオセラピー+メンテナンス指導、スケーリング+掻爬よりも治癒がはやく、再燃もない』 と書かれています. |
片山恒夫先生は今から50年も前に、当時は見向きもされなかった術者の行うプラークコントロール、歯科医や歯科衛生士が行う歯面清掃(プロフェッショナル トゥース クリーニング)の重要性を強調されていました. |
*)片山恒夫:社会保険における歯槽膿漏症治療の問題点、日本歯科医師会雑誌、19(6)1966.9) |
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