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抜いた歯は生えてきません.削った歯は元に戻せません。歯科治療は両刃の剣であることを理解して治療を受けてくださるようおねがいします.

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”抜かずに治す歯科治療”が教えてくれること



 私は30年以上“片山式抜かずに治す歯周病治療”の完成を目指して努力してきましたが、その結果分かってきたことがいくつかあります.

 このページではそのことについて書いてみたいと思います.
 《片山式歯周病治療》


このページの目次
*絶望的と思える重度歯周病の歯でも救える

*残根や歯根破折も抜かずに治せる

*抜かずに治った歯の治り方はいろいろ

*抜かずに治す治療には自然治癒力が大きく関わる

*歯科医の技量を高めることに役立つ


絶望的と思える重度歯周病の歯でも救える

 片山式を勉強することで分かってきたことのひとつは、片山先生がおっしゃっていた「抜かずに治す努力をすれば、絶望的と思える重度歯周病の歯も救うことができる」ということです.

 残念ながら自然に抜け落ちてしまう歯は救うことはできませんがこれは生体がその歯は身体にとって必要ないと認識したと考えられるので、我々の力ではどうすることもできません.

 抜け落ちずに残る歯と自然に脱落してしまう歯の区別は一回限りの診査診断では判断がつきません.

 歯医者と患者さんが一緒になって、抜けないようにあらゆる努力をしていくうちに自然と結果が見えてくるものなのです.

《歯無しにならない話・残す工夫すべて試みる》



残根や歯根破折歯も抜かずに治せる

 重度歯周病でも”抜かずに治す-片山式”でずい分救えることに気がついた私は、一般的には抜歯と言われている残根の歯や破折歯も抜かずに治療してみるようになりました.

 その結果ある程度健康な歯根膜の残っている歯はむし歯でも破折歯でもかなり保存できるようになってきたのです.

 これは、近年の歯科技術と材料の進歩も見逃せないのですが、何とか歯を残したいという患者さんの思いと、抜かずに治療したいという歯科医の熱意とが合わさった医患共同作戦も大いに貢献するのではないかと考えています.

 むし歯がひどく進行してしまった、歯が割れてしまったといって、すぐあきらめて抜くのではなく、何とか保存する手立てを探るようにしたものです.




抜かずに治った歯の治り方はいろいろ

 抜け落ちずに保存できる歯の治り方にもいろいろパターンがあります.

 元通りほぼ何でも食べられるようになる歯もあれば、補綴物などの助けを借りて咀嚼に貢献できるようになる歯、残ることは残ったけれど機能回復には参加できない歯など、その回復の程度にもいろいろあるわけです.

 
  私たちは歯を抜かずに歯周病の治療を行っていますが、抜かないで治療するといっても、治療すればすべての歯が元のように何でも食べられるようになるわけではありません.

 歯周病は糖尿病や関節リウマチと同じ慢性疾患のひとつで、完治が望みにくい病気のひとつです.

 治療によってほぼ元のように機能回復できることもありますが、すべてが“切り傷”が治るように100%元通りになるわけではありません. 

 交通事故で足をけがした例えでいえば、全力疾走できる状態から走ることはできないがゆっくり歩くことはできる、松葉づえで歩ける、車いすで移動できる、あるいはベッドから移動するのは困難な状態まで、治療による回復程度はそれぞれ異なります.

 さらに重症のときは、問題が全身におよび、寝たきりや脳死の状態ということも考えられます.

 抜かずに治す歯周病治療も同様で、その回復程度にも差があります.

 しかし、一般の歯科治療ではそのような考え方が希薄で、機能回復できるかどうか、すなわち全力疾走できるかできないかの基準で抜く抜かないのかの判断をしてしまいがちです.

 健康な歯に比べて半分程度の実力しかない歯をブリッジなどでつなげてしまうと、その歯の予後はあまり期待できません.

 したがって予後の不安な歯を抜いてしまい、問題を起こしそうもない歯だけを残して補綴処置をする方が安全ということになります.

 その方がしばらくの間はトラブルを起こす可能性が少ないからです.

 しかし、その”しばらくの間”というのがくせもので、何年かすると丈夫だった歯も問題を起こしてきて、その歯も予後不安な歯の仲間入りをしてしまう可能性があります.

 そして、その丈夫だった歯も抜かなくてはならなくなってしまいます.

 人生50年の時代にはそれでも何とかなったのですが、寿命がずっと延びた現代はそうはいきません.

 予後不安な歯も大切にしないと、人生の後半で苦労することになります.

 私は、脳死の状態はいざ知らず、寝たきり状態の歯でも残す価値があるのではないかと思っています.

 いわんや、足で言えば松葉づえや車いすで移動することのできる程度の歯を抜くなど言語道断だと思います.


抜かずに治す治療には自然治癒力が大きく関わる

 歯周病の歯が自然に抜けてしまうのは、歯周ポケットの上皮が奥の方に移動して(上皮の根尖側移動)歯と歯肉や歯と骨の付着がなくなってしまうからです.

 この現象は、歯周組織という局所では病理といえますが、全身から見ると細菌の侵入を防ぐという防御作用という見方もできます.

 重度歯周病の歯が復活するのも、自然に抜けてしまうのも自然治癒力が働いた結果です.

 自然治癒力が働くと、健康な歯根膜がある程度残っている歯はしっかりしてきますが、健康な歯根膜がほとんど存在しない歯は、細菌の感染経路を遮断するために上皮が根尖側移動をおこし歯が抜けてしまうわけです.

《歯周組織破壊のメカニズム》
《自然治癒力に関してはこちら》



歯科医の技量を高めることに役立つ

 誰もが抜くというような歯でも、痛みや腫れなどの原因は何なのか考え、その対処を考え、勉強し、患者さんと一緒にその症状を消退させる努力をすることで歯科医としてのレベルがアップしていきます.
 
  ”抜かずに治す歯科治療”は補綴物の装着を急がず、その歯の症状を治めることにまず力を注ぎます.

 重度の歯周病の歯でも、歯根破折を起こした歯でも、抜かないで保存するためにはどのような治療が必要なのかを一生懸命考えます.

 痛みや腫れなどの症状の原因は何なのか考え、その対処を考え、勉強し、患者さんと一緒にその症状を消退させる努力をすることで歯科医としてのレベルがアップしていきます.

 痛みや腫れを止められないからといって、あきらめて抜いてしまっていてはいつまでたっても患者さんの口を健康に保つことはできません.

 日本の歯科医、特に若い歯科医師、患者さんが来ないと嘆いている歯科医は、経営のための補綴物のことばかりを考えずに、歯科医としてのレベルアップをはかれる“抜かずに治す歯科治療”に挑戦して欲しいものだと思います.

 《抜歯の基準にあてはまる歯を抜かずに治す》


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